ヒューマンブリッジ(削らないブリッジ)を始めて10年 経過、症例について

ヒューマンブリッジ(削らないブリッジ)を始めて10年 経過、症例について

こんにちは、丸ノ内線東高円寺より徒歩7分の中川歯科医院です

先日3dスキャナーの導入を行い、現在ジルコニア補綴や矯正治療に使用しております

精度に関してはかなり高いものとなっており、印象材(型取りに使用する材料)よりも正確に方が取れます、技工士さん達からも制度に関しては高い評価を得ています(コストの面では微妙ですが(笑))

もう少し使用できる幅を広げたいと模索している最中です

さて今日は削らない治療の説明 削らないブリッジ、ヒューマンブリッジについてです。もう、この治療を始めて10年ぐらい経ちますがこの治療を採用される先生が少なかったのでかなり遠くから(栃木や茨城からいらっしゃる方も結構いました)来院される患者さんもいらっしゃいましたがこの1,2年でこの治療を行う先生もだいぶ増えてきて遠くから治療希望で来院される方はいなくなりました。

昨年は2本連続欠損などの難しいケースの方もご相談をいただきましたが今現在は問題なく経過しています。まだ1年たっていないので大事なのはここからですが。

 

削らないブリッジ(ヒューマンブリッジについて)

最近自分で”削らないブリッジ”で検索をかけてみたのですが”削らないブリッジでもいろいろな種類があります。

 

昔ながらの貼り付けるブリッジとは違います

昔ながらの一塊で貼り付けるタイプのブリッジ(昔はメリーランドブリッジと言いました)。ポリプロピレンを使った白いブリッジもあるようです(大臼歯には使えないとのことです)

ひとかたまりでつけるタイプの問題点は歯の向きや豊隆に左右されるのでそれを合わせるために適合を緩くしなければいけないケースが多く、外れやすいのが欠点です(まれに方向などがうまく合うとピタッとするケースもありますが)。そのため昔から似たようなものが多くあったのですが普及しませんでした。(今は接着剤の接着力が強くなったので昔よりは取れないのかもしれません)

 

ヒューマンブリッジはパーツを分けることによって1本ずつパーツが作れるので歯の向きや豊隆に左右されないのが利点です。接着剤をつける前から適合もよい状態です。ブリッジのパーツを3つに分けるというのが大事なところで、コロンブスの卵的な発想かと思います。

ヒューマンブリッジシステムについて

まずブリッジのシステムを簡単に説明すると

 

 

 

 

ほんの少しですがへこみを付けます

口の中ですることはこれだけ。このあと型を取り

ます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

できてきたパーツを両サイドの歯にはめます。欠損部に出っ張りがありますがここで方向調整ができるので、前後の歯が多少傾きがあっても問題ありません

 

 

 

 

 

 

 

真ん中にダミーの歯を付けます(ポンティックと言います)

嚙合わせ等を調整したら、接着剤でセットします

 

前歯でも同じようなシステムを使用します。極端に歯並びが乱れている方だとパーツの金属が見えてしまうので使用できませんが、たいていの場合は適用できます。

へこみを歯につける時もほんの少しなので麻酔を使用せずに行えます。皆さんの治療をする上での負担はかなり少なくなります。

 

 

ヒューマンブリッジ(削らないブリッジ)の適応できるケース、できないケース

先に非適応症についてです

・奥歯のケースで、歯ぎしり食いしばりが異常に強いケース(歯がすり減って真っ平になっている場合)

・歯周病が進行して歯が動揺しているケース(ただし、前歯だと逆に固定効果で状態がよくなるケースもあります)

・プラークコントロールの極端に悪い方。これに関してはどの治療もそうですが特に自費治療の場合はこちらも責任が持てないのでお断りしています。

 

特殊な適応症について

他のブリッジでは適応できないケースについてお話しします

・土台となる歯に金属やセラミックが入っていてもパーツを付けることができます。(ジルコニアが入っている場合は難しいかもしれません)

・土台となる歯が傾いていて普通のブリッジにするなら神経を取らなくてはいけなくなるケースも神経を保存してブリッジが入れられます。

・前歯のケースですと動揺している歯を土台にした場合強力な固定効果が得られて安定するケースもあります。あまり動揺が大きいと難しいかもしれません。

・前後の歯にブリッジや自費の被せものが入っているので外したくない場合

もちろん一人ひとり口中や状況は違いますので診察しないとわからないこともありますので診察時に色々と確認はします、ここに書いてあることが適応できないケースもあるかもしれません

 

実際の症例

 

 

 

 

 

 

左下の4番目にブリッジを入れたケースです

5番目の歯はブリッジの土台として使用されていたのでそのままブリッジの上からパーツを付けています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下の前歯が2本欠損しているケースです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯につやがないのは色合わせ時の試適している写真だからです。完成品はもっとつやがあります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは左上3番犬歯の欠損ケースです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特に金属が見えたりすることはありません

 

 

セット前の写真ですがこんなかんじでパーツに分かれています

これは2本分(間が狭いので1.5本分)のケースです。

 

 

 

 

治療経過10年を振り返って

導入した当初は私個人としても外れないかどうかという不安もありましたので数人の方にご説明をして、安い費用でモニターに協力していただきました。特に早い脱離もなく問題はありませんでしたが接着するときが結構大変(パーツが細かいものを3つ同時につけるので)でした。

 

その後症例数が増えると難しいケースや無理だったらあきらめるからとにかく削らずにやってほしい等々いろいろな希望が患者さん側から出てきましたので担当の技工士さんと相談しながら改良を加えながら治療を行ってきました

 

このMIブリッジは技工士さんの腕がかなり重要で今作ってくれている技工士さんは私が勤務医のころからのお付き合いでドイツに数年、留学に行っていた方です。帰ってきたところで声をかけていただいたのでお願いしている次第です。

 

このMIブリッジ、ドイツでは前から同じようなものがあるようで向こうで作成していたとのこと。ドイツのものと違うところなどを教えてもらいながら、いいとこどりをして今の形態ができています

 

やはり大臼歯の欠損で咬合力の強い方、歯ぎしりで歯が極端にすり減っている方は外れやすい傾向があります。どうしても!ということで治療したこともありますが2~3年で1度脱離してくることが多いです。2~3年に1度再接着すればよいという考え方もありますがこの辺りは事前の説明同意をしっかりとしなくてはいけないところです(あまりに極端な咬合力の方は前記にもありますがお断りをすることもあります)

 

MIブリッジを入れた後のメンテナンスに通う患者さんも増え、長期の経過観察を行うことができ、自分でも結果を分析しながらよりよいものにしていきたいと思います。

 

ヒューマンブリッジの費用について

令和5年11月現在

前歯の1本欠損 ¥275000(税込)

臼歯部の1本欠損 ¥275000(税込)

としています。

また年明けに¥5000程値上げを検討しております、諸々の材料費、人件費、技工料と高騰している状況ですのでご理解をいただければと思います

 

最後に

お電話やメールで色々とヒューマンブリッジのお問い合わせをいただくことが多いのですが個別の診断、適応できるか出来ないかは実際に見てみないとわかりません。一般論については多少のご説明はしますが個別の診断、適応、非適応については診察前にはわかりかねますのでご了承ください

わかりづらい点などがありましたら当院のメールよりご指摘いただけると幸いです。

長文となりましたがお付き合いいただきありがとうございました。

東高円寺の歯医者|中川歯科医院

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